売上や規模拡大のキーとなる「横展開」の発想 (小規模事業者向け)
Googleやfacebook、日本では楽天、ソフトバンクのような名だたるベンチャー企業は、
立ち上げる当初から壮大な事業構想があってこれを始めているのだと思います。
一方、私たちはそうではないことが多いですよね。
もちろん上場や年商10億、全国展開などを夢見て起業した人も少なくありませんが、
大半の起業家がはじめは "家業" レベルの「商売」からスタートすると思います。
その「0から1」、ゼロイチに大変な苦労を要することも痛感しておられるでしょう。
泥水をすすり、ハラワタが煮え繰り返り、悔し涙を流す日々です。
今日は、その次の段階のお話です。
ゼロイチから始める形の事業では、売上や事業を拡大する段階では「横展開」の発想が不可欠かと思います。
例えば新規開拓営業についてご説明します。
当社は現在、大阪、名古屋を中心に会計事務所様の新規開拓支援をご提供していますが、
『名古屋地区の●●万人程度の●●型都市で●●拠点があり都市部へのアクセスが●●分未満のところ』
という地区で絞り込むと、特定の業種の新規開拓レスポンスが良かったりします。
同類の都市を関西地区においても探してこれにアプローチをすると、
やはり同じように特定の業種ではレスポンスが良い結果が得られます。
これが「横展開」です。
他の事例を見渡してみましょう。
自社運営のネットメディアを収益化して伸びている企業を見ると、
「業種の横展開」
をしているのをよく見かけます。
うまくいったネットマーケティングの取り組みにつき、対象業種を変えて同じように行うわけです。
この成功が将来も続くか、今でも収益性が健全なのかは私は存じ上げませんが、
対象業種の横展開も1つ参考になる取り組みかと思います。
ネットが例え話だと親近感がわかないかもしれません。
実態の伴う事業に当てはめてみると以下のように想定できます。
例えば、駅前型のサロン経営で、広告・集客・プロモーション手法が上手くいくとします。
事業拡大のため、これを横展開します。
乗降客数や客層、競合など周辺の状況が良く似た駅を見つけてもう1店舗出店します。
これで、1つの成功パターンを2店舗で実現することができます。
(もちろん事業経営は複雑で属人的なため、言うほど簡単なことではありません)
この「横展開」を実現するためには、
どんな小さなことでもいいので「1つの決定的な成功事例を確立する」ことが第一のステップです。
私たちのような経営資源の乏しい事業者こそこれを徹底すべき、とも思います。
最初の成功事例を確立するための「局地戦」については
以前のこのコラムをご高覧ください。
冒頭のお話に戻りますが、これはあくまでも1つ1つ積み木を積み上げていく、いわば "家業" 的な手法かと思います。革新的な取り組みで世界を変えるネットベンチャーなどとは考え方が異なるかと思います。
1つのやり方としてご参考としていただけると幸いです。
平成24年7月12日
吹上経理支援
代表 日高 大輔