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フリーの戦略の目的と効果のある業種を考えよう (小規模事業者向け)



フリーの戦略を考えてみよう


今日は、広告戦略としての「フリー」についてです。

インターネット業界を中心に「フリーミアム」という言葉が数年前に流行りましたが、

私たち小規模事業者の立場でこれを考えてみようと思います。



フリーの戦略が成り立つ要件をまとめると、以下の3点が挙げられます。


1.成長市場であること

2.リピート購入する商品・サービスであること

3.新規顧客獲得が自社の事業方針に合っていること



顧客自体に価値がある、という場合に、シェアを獲る目的で行うのがフリーの戦略です。

「顧客生涯価値」に重きを置いている事業にあった手法といえます。



すべての事業に当てはまるわけではないのは、皆さんご承知のとおりです。

牛丼屋さんでフリーを行っても経営が破綻するだけではないでしょうか。

「1年間牛丼タダ!」 とやっても、意味がないことは容易に想像できると思います。



例えば、途上国におけるネットサービスはフリーの戦略が非常に有効だと予想できます。

先進国としての物価差に起因する腕力で一気に新規開拓を図ります。

また、10年後の物価差の是正や市場の成長を鑑みると、今のうちにシェアを獲ることは大きな先行投資といえるでしょう。




さて、自社の新規開拓の手法に、フリーを取り入れたい。

そんなとき、どこまでフリーにするかの経営判断に悩むときは、こんな指標をご参考ください。



 ポイント→ 自社の今の広告宣伝費を基準にする。


フリーの戦略で失うことになる「本来もらえる売上金額」を、現在の新規顧客開拓の広告宣伝費より小さく設定すれば、今の事業規模に無理のない規模でフリーの戦略を取ることができます。

フリーの効果測定

あくまでも大まかな指標ですが、参考とできる数値かと思います。


このあたりの予算規模でいったんフリーを試してみて、現在の新規開拓スピードや新規開拓費用よりも良い効果がある場合は、フリーの戦略が有効だと言えます。



フリーとは、表現を変えれば「試供品提供」。

悪く言ってしまうと「値引きによる客引き」です。

効果測定を怠れば、単なる「逃げ」の手法で誰も幸せになりません。



さて、この手法はBtoCに有効ではないでしょうか。

BtoB、特に成熟したこの日本では「取引口座を開く」こと自体にハードルがあります。

対企業の新規開拓では、無料だからといって信用をもらえるわけでもなく、取引口座を開くことはできません。



長々とうんちくを書きましたが、私自身もまたフリーの戦略を採って試行錯誤をする1プレイヤーです。

成功例も失敗例も何かしらの参考となれば幸いです。



当社のフリーの戦略として、「会計ソフトの入力」の領域におけるシェア獲得を狙った、「俺の」シリーズと「サインはCSV」があります。

当社はこれを "大きな市場である「会計系クラウドサービス」" の入り口として育てていきたい目論見で、無謀なチャレンジを行っています。


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平成24年2月12日
吹上経理支援

代表 日高 大輔




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