月次会議でスタッフの成長を促す
今回も私自身の体験を下にコラムをまとめてみました。
テーマは「スタッフの成長の場としての会議」です。
最近、私は自社の吹上経理支援にスタッフレベルの月次会議を導入しました。
事業の方針についてもこの会議のテーマに含めています。いわゆる「戦略会議」といえるものかと思います。
以前は業務の標準化や新規開拓の方針など、すべて私自身が決めた上でそれをメンバーへ落とし込むという手法を採っていました。
これを改め、ボトムアップを重視する方針に変更しました。
その経緯で感じた事をまとめたいと思います。
そもそも現場のスタッフというのは
(相対的に、かつ対象を仕事に限定すれば)
近視眼的で、業務でも短期的な領域に興味が集中しています。
彼らは日々の業務の最前線にいる方達です。
ですから、「事業を俯瞰する」だとか「市場動向を踏まえて長期計画を策定する」ということは
不得手なのは当たり前といえます。
そんなところへ突然に、我々事業主がビジョンを掲げたり長期計画を示してもピンと来るはずがありません。
この状況で戦略会議を開いてもうまく意見を吸い上げることはできませんので、
最初の1回目はほとんどお通夜のようになってしまうのは致し方ないように思います。
それでも、これに懲りずに
2回目以降も我慢強く待ち続けることが肝要、と思います。
上司がああだこうだと言ってしまうと萎縮してしまい、また上司の意向に沿った意見しか出てきません。
人は自ら決めたこと、自分で提案したことは実現する馬力も強くなります。これを私も痛感しています。
まずは会議のテーマを「現場の業務の改善」に限定するといいかもしれません。
日々の業務の改善や業務の標準化・可視化については、スタッフからのボトムアップを心がけることで大きな効果があります。
スタッフたちが毎日携わっている作業ですから彼らの興味も注がれるので、積極的な意見の交換を期待できます。
ただ、目論見どおりの効果をあげるまでには少々の時間が必要です。
自分で事業を立ち上げ、泥水すすって試行錯誤してきた私達が業務の最短距離を知っているのは当たり前です。
これを現場の1スタッフに求めるのは酷ですから、彼らがコツコツ前進するのを見守る忍耐は必須のように思います。
さて、
「現場の改善会議」には限界もあると思います。
というのも、最初は皆が「もっと環境を良くしよう」という意気込みで改善を企画提案しますが、
決まりごとが増えてくるにしたがって、改善そのものが自分で自分の首を絞めるハメになり、
詰まるところ、『面倒が増えるから口出ししない』ということになってしまいます。
このままでは結局、スタッフ達は「やらされ仕事」に陥ってしまいます。
現場のもう1つ上にある「経営戦略・事業戦略」へと彼らに意識を高めていただく必要があります。
地道にコツコツでいいのでスタッフそれぞれに「ビジョン」「長期計画」「市場選定」というところまで意識を上げていただくためにも、
現場のスタッフにも戦略会議へ参加してもらい発言していただく必要を私は感じています。
社会の成熟にあわせて、我々ヒトに求められる労働の価値は益々高度になっているのではないでしょうか。
機械やシステムに仕事を奪われ、途上国に対して人件費率で不利な日本においては、
上記に挙げた知恵を出せる労働者しか生き残れない、と私は思います。
また、様々な意見の違いを受け入れチーム作りを率先できる能力がなくては組織で働くことは難しいとも思います。
これらのことを実現したチームを私は「自走化したチーム」と定義して、吹上経理支援も自走化できることを目指しています。
経営分析の初歩的な手法である「SWOT分析」をweb上で簡単に作成できるサイトをお作りいたしました。
是非一度お試しください。
https://sites.google.com/view/business-strategy-apps/swot-analysis/japan
平成25年7月16日
吹上経理支援
代表 日高 大輔