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パートタイマー、アルバイトを上手に活用しましょう



今月は「パートタイマー・アルバイトを活用しましょう」がテーマです。

現在労働力調査によると3人に1人が正社員以外の働き手となっています。
企業にとっては、パートを活用した場合人件費のコスト削減が期待できます。

まず、時間給のパートは残業代の単価をみても正社員の残業代単価と比べると低いことが多いです。
そして雇用保険に関しては、週に30時間以上働くなら一般の雇用保険被保険者となりますが、週に20時間以上30時間未満の労働であり1年以上雇用する見込みがあるなら短時間労働被保険者として雇用保険に加入しなければいけません。

この見込みは雇用契約書又は労働条件通知書で6ヶ月契約とか契約期間が1年なければ雇用保険に加入する義務はありませんし、契約期間の定めがなければ加入する義務があります。

ですが、週に20時間以上労働しないのであれば雇用保険に加入する義務はありません。
昼間学生をしているアルバイトも雇用保険加入の対象ではありません。

次に社会保険ですが、パートの社会保険適用要件というのは、1日、または1週間の勤務時間が、その事業所で同種の業務を行う一般社員の労働時間のおおむね4分の3以上であり、1ヶ月の勤務日数が、その事業所で同種の業務を行う一般社員の労働日数のおおむね4分の3以上である場合は加入しなければいけません。

例えば1日8時間労働の会社であれば6時間未満しか働かないパートは社会保険の加入の対象ではありません。
雇用保険料は安いのでいいですが社会保険料は会社負担分も高いです。
ですから1日6時間未満労働のパートを活用していくことをおすすめします。

ただパートやアルバイトを雇うときにご注意いただきたいのは、まず労働条件をきちんと書面で通知すること。雇用契約書を書面で交付することが法律で定められているので後々無用なトラブルを引き起こさないためにも従業員の種類(正社員なのか、パートなのか)や期間契約なのかどうか、労働時間、雇用保険・社会保険加入の有無、賞与は支給するのかどうかなどきちんと書面を交付して下さい。

もし労働条件などが変更になったときは再度雇用契約書を交わすことが必要です。
そして就業規則にもその就業規則はパートにも適用されるのかされないのか(正社員のみに対しての就業規則ならパートはこの規則を適用しないという文言が必要です。)、正社員に対しての退職金がある会社なら規則にパートは適用しないことが明確になっているか(もし大まかに「従業員に対して支給する」と書いてあると、パートに対しても支払わなければならなくなる可能性も出てきます。)もチェックして下さい。

現在、自社内でじっくり育成したパートの中から正社員として登用する会社も増えてきています。
このことは会社にとっても即戦力として効率的ですし、同時に正社員を目指すパートへのモチベーション施策ともなります。

こういったパートから正社員への転換制度の導入、正社員と共通の人事評価制度や能力開発など、正社員との処遇格差改善に向けた取り組みを行った事業主を支援するための「パートタイム助成金」というのもあります。
ぜひパートタイマーやアルバイトを上手に活用して下さい。

寄稿:社会保険労務士 稲垣 瑠香

平成18年11月12日



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