「人」で痛い目にあわないために押さえておくべきポイント (小規模事業者向け)
今回は私の個人的な考えを書いています。
理論とか統計値とか、そういう類のものではないのであらかじめご了承ください。
事業を始めたとき、あなたは大きな期待と不安を胸に抱きながらのスタートだったのではないしょうか。
私も7年半前、ワンルームマンションで 『起業しました(自称)』 というようなちっぽけな開業宣言から事業を始めました。
初めて自分の事務所の名刺を印刷して手にしたとき、妙に肩透かしで情けない思いがしたのを今でも覚えています。
これはあくまでも私の場合でして、
起業の仕方は人それぞれ。
中には準備万端で「さぁみんないくぞ!よーいドン!」と活発な起業をされた方もおられるかと思います。
さて、そんな起業家には多種多様な人々との出会いがあります。
いい出会いもあれば、残念な出会いもあります。
そこで、私なりの「人を見定めるポイント」を以下にご案内します。
・頭の下げ方が変ではないか
・口から出る言葉に違和感はないか
・小さな仕事への取り組み方が雑ではないか
・ミスや問題が起きたときの態度や姿勢に誠意が見られるか
・ふとしたときに見せる表情に違和感はないか
・その人を取り巻く人に違和感はないか
私はおおよそ上記6点をまず確認します。
商売の7年半を振り返ると、痛い目にあったときはいつだってこれらに該当していました。
この「違和感」は感覚的なもので表現しにくいのですが、
「感謝」とか「謙虚」とか「真摯さ」、これらを感じないという意味です。
こうやって書くと、私が上から目線で傲慢だと感じると思います。
ただ、私は上の基準をもって「自分自身」も律しています。
というのも、
他でもなく私自身が上のような行動をとり、そして信用を失った張本人でもあるのですから。
いわば、6項目は「自戒」でもあるです。
小規模事業者が付き合う会社や人を選ぶにあたり、業務の質とか、費用対効果などは正直あまり重要ではない、と私は考えています。
もちろん大事なことなのですが、その前に「人」の部分で問題があるのは論外だということです。
この手のお話は精神論とか青臭い理想論に聞こえてくるかと思います。
ただ、現実に
少なくとも私はこの7年半の間で、「人」の部分に妥協した結果上手くいったことは一度もありません。
エライ目にあったことばかりです。
厳しい表現になりますが
小規模事業者である私たちに寄って来る人は、市場で戦えている人ではありません。
どこか別のところからドロップアウトしてそこにいる人です。
残念ながら零細事業者で市場で通用しているのは2割程度だと思います。
ですから、
「うまくいかない」ことを前提としてことを進めたほうが無難です。
結果上手くいけばそれほど喜ばしいことはないですが、どうも商売はそんなに簡単なものではないようなのです。
※厳しい表現が続いていて心苦しいのですが、
これは私が自分自身のことを言っているのだと思ってご容赦ください。
私たちは、その「市場で戦える2割」を探す努力をする必要があります。
それを判断するための私なりの基準が、先に述べた「6項目のポイント」です。
上の基準に反して
もしかしたら相手はとても良い人で、いい仕事をしてくれて、たまたま変わったところがあるだけなのかもしれません。
また、何も試さずに人を判断するのは胸が痛くなります。自己嫌悪にもなります。私もそうです。
ですが、そこでリスクを取れるほどの利益や信用や挽回する能力を私たちは持っているのでしょうか?
信用は一度失うと取り戻すのには大変な労力と時間とコストがかかることを忘れてはいけません。
一般社会と商売とでは勝手が違うんですよね。
事業をしていると、どうしても藁をもすがる思いになります。
でも、思い出してください。
新卒で就職活動をしたときに、私たちは随分と高い倍率で競争をしました。
仕事をする上で、今なお私たちは毎日それと同じような選別をされ、そして自らも選んでいるのだということを改めて心に留めておきたいものです。
自戒を込めて。
平成24年5月12日
吹上経理支援
代表 日高 大輔