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廃業を覚悟しないために



今日はとても恥ずかしいお話です。


このコラムをお読みの方の大半は創業期にある中小企業様だと思います。


新しい商品・サービスを開発して、それに価格を自社で決めて売りさばく。

ゼロから商品を産み出すのか、それとも既存のサービスを調整するのか、

その違いはあるにせよ、

私たちの事業は、まさにその『商品開発』の繰り返しだと思います。



恥ずかしながら、『商品開発』での私の失敗談を書きます。


私は会計事務のアウトソーシング業から創業しています。

もともと税理士事務所に勤務していたため、損益分岐点や試算表の仕組みは理解していました。


新たに始めるにあたり、サービスの値決めは「損益分岐法」を採用しました。

原価をすべて計算し、それに利益率を上乗せして価格を決めます。


損益分岐点ギリギリまで価格を落とし、低価格で一気に顧客を取り込もうという魂胆でした。


‥‥



ギリギリ過ぎました(笑)


そしてもう1つ、私は決定的な過ちを犯しました。


「粗利益率の改善に甘かった」ことです。


もちろん私にも粗利益の金額を増やす意識はありました。

しかし、それは『率』ではなく、顧客数を増やすことばかり考えていました。



数多くの経営上の過ちを犯した中でも、これが私の最大の過ちでした。

詰まるところ、「粗利の改善に立ち向かう勇気」を持たなかったのです。

そして廃業覚悟でソフトウェア関連への第二創業を行うことになりました。


そんなおバカなことに陥らないためにはどうしたら良いのか。



粗利の改善には3通りが考えられます。

1.原価を下げる

2.価格を上げる (顧客単価を上げる)

3.顧客を増やす


おバカな私は

低価格戦略を取ったことで、[2.価格を上げる] ことは顧客離れを起こすため無理でした。

もちろん [1.原価を下げる] ことにも限界があります。

結果、無理な [3.顧客を増やす] 苦しいデスマーチを続ける羽目になりました。



第二創業を経て、最近やっと私は

[4.客筋を良くする]

という改善方法に気がつきました。

厳密に言えばこれは [2.価格を上げる] に相当するのですが、

敢えて [4.客筋] という考え方を強調するために分けて書きました。



『客筋を良くする』


言うのは簡単で、実際に行うことは難しいですが、

大きな会社と取引口座を開くとか、成長している企業とお付き合いするとか、

そういう「客層」を少しずつ良くしていく努力が必要です。

BtoB の事業なら容易にイメージできるかと思います。



どうも、良い客筋には 利益のほかに、「情報」「信用」「人脈」など、試算表や数字に出てこない色々な付加価値がついて回っているようです。

また、

「粗利はすべてを癒す」

そんな言葉がありますが、とても含蓄のある言葉だと思います。



新しいサービスを開始するとき、それが前例の無いサービスのときは尚更「値決め」に悩むと思います。


  残念ながら私は、自分の事業以外における解決策は知りません。


きっと皆さん、ご自身が一番悩み、試行錯誤されることと思います。

そんな中で、今回の私の恥ずかしい失敗例がこのコラムをお読みの方の何かしらの参考となればそれほど喜ばしいことはありません。



平成23年11月29日
吹上経理支援
代表 日高 大輔




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